川の字で寝る

アメリカに留学してた女の子から聞いた話なんだけど
学校の女教師に「日本って家族で『カワノジ』で寝るんでしょ?」と聞かれたんだと。
で、彼女が「全部の家がそうではないと思うが、ほとんどの家庭では子供が小さい頃は川の字で寝るか 少なくとも同室で寝るかはすると思う。自分もそうだった」と答えたことで 子供の自立についての話になったそうな。(外国では生まれたときから別室で寝るらしい)
でも女教師にいろいろ聞かれても、学生であまりそういうことに興味がなかった彼女は実家の母に手紙を書いて、「なんで川の字で寝るのか」ってことを訊いたらしい。
そしたらその母から
「なんで日本人は川の字で寝るのかはっきりとした理由はわからないけれど 子供の寝息を聞いてれば、子供本人が自覚してない健康状態がおおかた解る。 鼻がつまり気味だとか、呼吸が少し浅めとか。具合が悪いと寝返りの打ちかたも変わるから ちょっとした子供の変化がすぐ解る。それが何だと言われればそれまでだけど 夜中おねしょした時、怖い夢を見たとき、雷がうるさいとき等 子供が不安を感じたときに 手を伸ばせばすぐ届く距離に親がいるというのは便利だし、子供も安心するのでは」という返事がきたそうだ。
その返事を女教師に伝え、さらに
「そういえば私が小さい頃悪い夢でうなされてると、必ず「夢だから大丈夫よ」という母の声で起こされました」と
自分の体験談を付け加えたところ、その女教師は泣き出したそうだ。
(トラウマと関係していたら悪いからと、なぜ泣いたのかは聞けなかったらしい)

今ではその女教師は日本人の男と結婚して、日本に住んでいるそうな。
で、親子三人でカワノジで寝てるんだと。
今でも時々会うらしいが、その女教師が「自分の布団の中に子供と一緒に入って、子供の冷たい足を 自分の両ふくらはぎで挟んで暖めてやると子供が喜ぶから、自分は冷たいけど嬉しい」と言っていたと驚いていた。
寒い季節になると思い出す話。

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